看護師に必要な資質とは

看護師に必要な資質はいくつか挙げられる。そのなかで最も必要とされているのが、「体力」だ。病院は24時間稼働しているため昼の勤務はもちろん夜勤や残業が多く、拘束時間が長いため仕事中はほとんど立ち作業で動き回っている。内科であればインフルエンザや風邪が蔓延する時期には、ウィルスに囲まれた環境で働くこともある。看護師はそんな過酷な環境でも働けるよう、健康かつ充分な体力を持っている必要がある。

2つ目は「精神力」だ。人の命に関わる仕事なので、些細なミスも許されない。たとえ過酷な労働中でも常に周囲の患者の様子に気を配り、ちょっとした変化や急変に気づいて対応する必要がある。仕事中は決して気を緩めることができないのが常だ。また、ときには命を救うことができず、死に直面することが避けられないのが看護師の宿命だ。そのため様々なプレッシャーやストレスを自分で対処できる、精神的な強さも求められている。

3つ目は「人と関わる能力」だ。この力には、2つの側面がある。1つは、人に対する優しさや思いやりという心の要素だ。患者に対して、どれだけ優しさや思いやりを持てるかが重要になる。特に命の危険に晒されている患者に対しては、中途半端な同情や共感、表面的な笑顔などは一切通用しない。より誠心誠意なケアが求められてくる。もう1つの側面は、人との協調性や理解力、コミュニケーション能力だ。働くうえで医師や他業種の医療関係者、別の科との連携、手術などチームでの仕事が常に伴うため、看護師にとって必要不可欠な力だといえる。